2013年05月30日

舟を編む



関東甲信地方も昨日梅雨入りとなりました。
少し前までは夏を思わせる暑さだったのに
ここ数日は雨も降り肌寒い日。
体調を崩しそうです。



三浦しをんの「舟を編む」を読みました。
今、本屋で山積みになっています。

流行の小説にはあまり手を付けないのですが
なんとなく読んでしまいました。
「お仕事小説」というのがよかったのかもしれませんが
興味深く一気に読んでしまいました。



辞書を編纂するという、地味で気の遠くなる作業に
クセのある面々が、周囲から見るとちょっとおかしいんじゃないかと思うくらい
真面目に一生懸命取り組んでいきます。
辞書という言葉の舟を編み上げながら
それぞれの人生も編んでいくというようなお話。


ちょっと頭に「バカ」が付くくらい何かに真剣に取り組むことで
それが何であっても、人生で大切なものを見つけることができるのではないか
と思わせられます。

「言葉」について真面目に命がけで取り組むことで
各人の人生にとっても「言葉」はかけがえのないものとして
生きてくる。

自分の仕事になぞらえても
設計するということは、手描きであれ、CADであれ
引いた一本の線の中に命を刻み込む作業ではないかと思います。

まわりから見ると「そんなことどうだっていいじゃないか」と
思うかもしれないようなことが多いかもしれません。
でもその思いの有無の中に職業としての貴賤もあるのではないでしょうか。

建物は何かを語るわけではないけれども、
造られたものは何かを伝えることができます。
他人の造ったものであっても、
自分たちは各々が獲得した「建築」という言語を通して
それをつくった人の苦労や心遣いといった「熟慮の過程」に
思いを致すことができるのです。

それはありがたくも幸せなことだなあと思います。
そんなことを考えながら読むことができました。



映画化もされて公開されているようですが
そちらの方は見ていません。
見た方がいらっしゃれば、また感想など聞かせてください。
  


Posted by SSD at 12:17Comments(0)心の設計図